美味しいものくれる人

同じ時間にお散歩してると、必ずご一緒する飼い主さんとワンコちゃんがいますよね。親しくお話もするようになります。社交上手なペギーちゃんは、ワンコちゃんの群れがあると嬉しくって、すぐに自分もご挨拶に行く子。ある日、4匹ほどのワンコさんが公園の真ん中にいました。

ずんずん近くペギーちゃん。なんか、いつもよりワンコさん達は興奮してました。よく見ると、あー、いつも道でお会いするあの飼い主さんと柴犬のルルちゃんでした。しかも、ルルちゃんのママはみんなに、オヤツをあげてました!
えー、大変だ!ベギーちゃんには、あげられないよ!私は、シッターだよー。

次の日、飼い主さんに何故が了承を得たシッターである、私は、みんなの輪の中に入ってオヤツをいただきましたよー。ペギーちゃんは、もうそれは嬉しそうでした!そして、ルルちゃんのママが大好きになっちゃいました。ペギーちゃんも私も。

正直に、ご報告したんです。ペギーちゃんも、すごく食べたそうでした。って。絶対にもらわないでください。といわれたら、お散歩ルートを変えようと思ってました。(せっかく仲良しになったけど)でも、ペギーちゃんのママは「あらー、いいですよ。ちょっとでしょ?」と、言ってくださいました。優しい。

それから、毎日行くようになったか?って。いえいえ、そんなことも無いんですよ。ちょっと恐れていたんですが、ペギーちゃんは、お散歩の色々なパターンを楽しんでます。いい子です。

その名は茶々さま

多くの愛人に囲まれた、たぐいまれなる魅力のある茶々さま。

一度でも、二人きりになると心がキュンとなるのだ。

決して美人でもなく毛並みもよくなく、高齢なのに。ゾッとするくらい「ネコ」の魅力をもっている。

彼女は常連様なのでシッターは何人も知っている。茶々さまは、その誰にもお出迎えからご挨拶からすばらしい。それぞれのシッターとそれぞれのご挨拶をしてくれる。愛情たっぷりで。

私には、まずチュッとしてから抱きしめて「愛してるわ」と言ってくれる。目つきも柔らかく、しばらくじっと見つめ合い、お互いの心を探る。ずっと膝の上にのって話を聞いてくれる日もあるし、夜は眺めのいいベランダで飛行機を見ながら寄り添ってくれる日もある。
長期不在の飼い主さんを、じっと穏やかに待っていて、代わり番こにくるシッターを包み込む魔法を持っている。

愛人の一人の私も、常に茶々さまに会いたいと思っている。みんなもそう思っている。今度はいつだろう、旅行?などど、シッター同士が密かに待っている。

茶々さまと過ごす時間は、不思議な時間になる。

ウチに来ないでちょうだいニャ

今日のシッター先は、3匹の猫ちゃん宅。猫ちゃんも代替わりしていて飼い主さんとのみ懇意なお宅。

案の定、ドアを開けるとシャーシャー言い、こわ〜い顔のチョンちゃん。

すごく大きくて怖い声が、家中に響き渡るんですー、太鼓の音みたいに響くのー。いつまでもシャーシャーと言い続けてこちらも、だんだん背中に脂汗が出てくる。「あんた誰?来ないでよー!何なの!」と言っているのですよね。重々分かっております。ごめんね〜。

そそくさとフードやトイレを片付けていると、今度はシーンとする。聞こえるのは時計のチクタクの音のみ。あれ?3匹いるのよね?お互いに息を潜めて気配をうかがっているわけです。

ここでも、脂汗。

大抵、こういうケースは多いけど、いつも思う。わかってほしい、あなたのために来たのよぉ!でも、チョンちゃん達は十分にママ達との日常で幸せなんです。私たちの世界に入りこまないでちょうだいと訴えています。

こういうところは、無事終わるとすごく嬉しい。やー、言っちゃった!でも、またご依頼があって行くと、すこーし距離が縮んでる。そうすると、もっと嬉しい。