その名は茶々さま

多くの愛人に囲まれた、たぐいまれなる魅力のある茶々さま。

一度でも、二人きりになると心がキュンとなるのだ。

決して美人でもなく毛並みもよくなく、高齢なのに。ゾッとするくらい「ネコ」の魅力をもっている。

彼女は常連様なのでシッターは何人も知っている。茶々さまは、その誰にもお出迎えからご挨拶からすばらしい。それぞれのシッターとそれぞれのご挨拶をしてくれる。愛情たっぷりで。

私には、まずチュッとしてから抱きしめて「愛してるわ」と言ってくれる。目つきも柔らかく、しばらくじっと見つめ合い、お互いの心を探る。ずっと膝の上にのって話を聞いてくれる日もあるし、夜は眺めのいいベランダで飛行機を見ながら寄り添ってくれる日もある。
長期不在の飼い主さんを、じっと穏やかに待っていて、代わり番こにくるシッターを包み込む魔法を持っている。

愛人の一人の私も、常に茶々さまに会いたいと思っている。みんなもそう思っている。今度はいつだろう、旅行?などど、シッター同士が密かに待っている。

茶々さまと過ごす時間は、不思議な時間になる。

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