ママの腕に抱かれて

                パピ君に会ったときは、すでに寝たっきりでした。18歳のワンコです。囲まれた大きなサークルを用意してもらってその中で横たわっていました。

見守りのシッターだったけど、パピ君は何度かは起きたそうにしてクワンクワンと言うので、体の前後にリードをつけて釣り上げて少し歩きました。何でも、認知症もあり、後ろ足にはガンもあるそうです。お家は、ぶつかっても良いように壁全体にクッションが付けられてました。ママは、介護をなさってるんです。

人間と変わりません。お世話も、愛情も。ママはご帰宅されると、靴も慌ててぬいで駆け寄っていました。ふと、サイドボードにめをやると、超イケメンの若い時のパピ君のりりしい写真がー
そうなんです。沢山の沢山の思い出があるんですよー。ママの大切なパピ君なんです。何だか、胸がしめつけられるようでした。パピ君は驚異的に生きぬいていました。何度かうかがい、しばらくご連絡がとだえていたある日、ママ様からお礼のお手紙が届きました。

ママの腕の中で、静かに息をひきとったそうです。

メッセージをいただいています。
「近藤さん、暖かいお言葉ありがとうございます。どうぞパピのことを少しでも覚えていてくださると嬉しいです。優しく接してくださったこと、本当に感謝します。ありがとうございました」

シッターやらせていただいてよかったと思うんです。
わたし、ずっとパピ君のこと、忘れません。

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